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愛媛県警察が呼びかけている、愛媛の道で気をつけること:伊予の早曲がり・横断歩道・夕暮れ・高齢者

愛媛県警察のチラシと愛媛県の資料で、右折(伊予の早曲がり)、横断歩道、夕暮れ時のライト、高齢者の3か条を確かめました。道路交通法の条文と、県警が公表した2025年の数字も添えています。

この記事のまとめ

  • 県警のチラシは「伊予の早曲がり」を、対向車が接近しているのに先に右折する行為と書いている。
  • チラシの違反例は3つで、普通車の反則金は6千円・4千円・9千円。条文番号は書かれていない。
  • 県警は横断歩道を「歩行者優先」と呼びかけ、横断歩行者妨害は違反点2点、普通車9,000円と載せている。
  • 夕暮れ時のライトは、県警の推奨時刻が10月は17時、11月・12月は16時30分。
  • 県警の2025年の数字では、交差点(信号・無信号)の事故が2,077件のうち1,044件。

愛媛県警察は、右折・横断歩道・夕暮れ・高齢者を呼びかけている

愛媛県警察のサイトの交通部のページには、交通安全のチラシやポスターのリンクが並んでいます。この記事は、そのうち愛媛の道を初めて走る人に関わるものを、チラシと県の資料の原文で読んだ内容です。

呼びかけ 読んだ資料 この記事の節
右折のしかた(伊予の早曲がり) 県警のチラシ、愛媛県の推進要領 次の3つの節
横断歩道で止まる 県警のチラシ2枚、愛媛県の実施要綱 横断歩道の節
夕暮れ時のライト 県警の「えひめ交通情報」、愛媛県の推進要領 夕暮れの節
高齢者の事故 県警のチラシ、豆統計 高齢者の節、数字の節

自転車の横を通るときの決まりは 車で自転車の横を通るときの決まりと、しまなみ海道の自転車、松山市内の電車の線路は 松山市内で路面電車と同じ道を走るときの決まり で扱っています。この記事では繰り返しません。

「伊予の早曲がり」の意味は、県警のチラシに書かれている

県警の交通部のページの「交通安全教育(ルール、マナー)」には、「いけんよ!!伊予の早曲がりは危険な交通違反です!」というチラシのリンクがあります。チラシの見出しは「“伊予の早曲がり”は危険な交通違反です!」で、意味は囲みの中でこう説明されています。

※ いわゆる「伊予の早曲がり」とは、交差点を右折する時、対向車が接近しているのに、先に右折する行為をいいます。

チラシには、県警が交差点違反の取締りを強めていることも書かれています。

◆ 県警では、交通事故の約半数が交差点で発生している実態を踏まえ、交差点違反(交差点優先車妨害、信号無視、一時不停止等)の取締りを強化しています。

チラシに発行日は書かれていません。この記事では、取得した2026年10月13日に県警のサイトに載っていたチラシとして読んでいます。

チラシの違反例は3つ、正しい右折の方法も3つ

チラシは、左半分に「交差点違反例」、右半分に「正しい右折の方法」を図で並べています。違反例の3つと反則金(普通車)は次のとおりです。

番号 チラシの違反名 反則金(普通車)
① 交差点優先車妨害 6千円
② 交差点右左折方法違反 4千円
③ 横断歩行者妨害 9千円

「正しい右折の方法」には、次の3つが書かれています。

  1. 対向車の進行を妨害しない
  2. 交差点の中心に寄る(図には「道路の中央に寄る」とも書かれている)
  3. 横断歩行者優先

「危険ポイント」は2つで、それぞれに県警の呼びかけが付いています。

対向車に注意が集中し、その陰を走行する二輪車や横断歩行者を見落とすことが…。

これに対して、チラシは次のように呼びかけています。

交差点は直進(左折)車が優先です。対向車が途切れるまで待ちましょう!

右折を急ぐ(斜めに右折する)と、進入速度が高くなり重大事故発生の危険性が…。

これに対しては、次の呼びかけです。

交差点の中心に寄り(直角に)、速度と安全確認に余裕を持って右折しましょう!

チラシの結びは「『ゆとり』のある運転で、伊予路に思いやりと譲り合いの輪を広げましょう!」です。

チラシの3つの違反名に合う条文は、第37条・第34条・第38条

県警のチラシには、道路交通法の条文番号は書かれていません。次の対応は、e-Gov 法令検索で条文を読んだうえでの、この記事の読み合わせです。県警が示した対応ではありません。

チラシの違反名 合うと読んだ条文
交差点優先車妨害 第37条
交差点右左折方法違反 第34条第2項
横断歩行者妨害 第38条第1項

第37条は、右折する車が直進や左折の車の進行を妨げることを禁じています。

車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。

第34条第2項は、右折の通り方を定めています。

自動車、一般原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。

チラシの「道路の中央に寄る」「交差点の中心に寄る」は、この条文と同じ向きの呼びかけです。一方通行の道路での右折は、第34条第4項に別の定めがあります。この記事では条文を引いていません。

愛媛県の推進要領にも、「伊予の早曲がり」の言葉がある

愛媛県の「令和7年度交通安全県民総ぐるみ運動実施要綱」の概要ページには、7つの運動の重点が出ています。その1つが「交差点の交通事故防止対策の推進」です。同じページの「通年キャンペーンの推進要領」にある「交差点マナーアップキャンペーンの推進要領」(PDF)には、実施事項に次の項目があります。

いわゆる「伊予の早曲がり」の根絶

同じ推進要領の目的は、次のとおりです。

この運動は、「交差点は危険な場所」であることを広く呼びかけ、自転車利用者を含むドライバーは「交差点 よく見る 止まる 徐行する」を徹底するとともに、歩行者も正しい安全な横断等を励行し、交差点事故の防止を図ることを目的とする。

この推進要領の実施期間は「令和7年4月1日から令和8年3月 31 日までの間」で、すでに終わっています。令和8年度の同じ推進要領は、見つけられませんでした。2026年秋の運動の愛媛県実施要綱(PDF)には、「伊予の早曲がり」の言葉は出てきません。

県の推進要領にも、条文番号は書かれていません。

横断歩道:県警は「歩行者優先」「止まっていますか?」と呼びかけている

県警には、ドライバー向けの横断歩道のチラシがあります。見出しは「ドライバーのみなさん!横断歩道は歩行者優先です。」で、その下に「「横断歩道」で止まっていますか?」と書かれています。チラシの文は次のとおりです。

横断歩道で歩行者が渡ろうとしているにもかかわらず、一時停止をしないでそのまま通過するのは違反です!!

チラシは「横断歩行者妨害等」の罰則を、次のように載せています。

項目 チラシの記載
罰則 3月以下の懲役または5万円以下の罰金、過失10万円以下の罰金
違反点 2点
反則金(普通車) 9,000円

チラシの「懲役」は、e-Gov の現行の道路交通法第119条では「拘禁刑」になっています。

「横断歩行者妨害」の反則金は、右折のチラシにも「普通車9千円」と書かれていて、2枚のチラシで同じです。

チラシには、道路標示の「◇」についても書かれています。

道路標示「◇」の先には横断歩道があります。

横断歩道で横断しようとする歩行者がいるときは、必ず、一時停止しましょう。

道路交通法の第38条第1項は、横断歩道に近づく車の義務を、次のように定めています。

車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

愛媛では、歩行者が手を上げて渡る運動をしている

愛媛県の運動には、「大人も手を上げよう」があります。県警のチラシは、歩行者への呼びかけを次のように書いています。

道路を横断する時は、車に対し 手を上げる(ちょっとでも) 手のひらを見せる などのジェスチャーで、横断する意思表示を行って、 車が止まったことを確認してから、 横断を始めましょう。

この運動は、愛媛県の2026年秋の運動の「愛媛県重点」にも入っています。ほかに「前見て!運転プロジェクト」の普及促進も入っていて、県の実施要綱はその内容の1つを「横断歩道手前での減速と安全確認、横断歩行者発見時の一時停止の徹底を促す取組の推進」と書いています。

県の実施要綱には、運転者に向けた次の項目もあります。

横断歩道等に歩行者等がいないことが明らかな場合を除き、直前で停止可能な速度で進行する義務や、横断歩道等における歩行者等優先義務等の遵守を促す取組の推進

県警の「交通事故マップ」(令和5年1月1日から令和7年12月31日)の、歩行者が道路を横断中の事故の地図には、次のコメントがあります。

横断中の事故は、暗い時間帯だけでなく、昼間も多く発生しています。

夕暮れ:県警の推奨は10月17時、11月・12月は16時30分

県警の「えひめ交通情報」の2026年10月6日発行(No.409)に、夕暮れ時のライトのキャンペーンが載っています。内容は次のとおりです。

項目 県警の記載
実施期間 令和8年10月1日(木)~12月31日(木)
点灯推奨時刻 10月は17時、11月・12月は16時30分
ロービーム 照射範囲約40m
ハイビーム 照射範囲約100m

同じ紙面には、「夜間点灯したライトをこまめに切り替えることを心がけましょう!」とあります。

愛媛県の令和7年版の推進要領(2025年10月1日から12月31日)は、夕暮れ時の点灯の目安と、前照灯の使い分けを書いています。この期間はすでに終わっていて、令和8年版の推進要領は確かめられませんでした。

夕暮れ時は、日没 30 分前からのライト(前照灯)点灯

自動車の前照灯は上向きが原則であり、対向車両がある場合などは下向きにするなど、こまめな切り替えを実施

道路交通法の第52条第1項は、夜間のライトを次のように定めています。

車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

県警の推奨時刻は、法律が定める夜間のライトの時刻とは別の、運動の呼びかけです。

2026年秋の全国交通安全運動の愛媛県スローガンは「黄昏に 一番星の 前照灯」でした(期間は9月21日から30日で、終わっています)。県の実施要綱は、夕暮れ時について次のように書いています。

夕暮れ時から夜間における死亡事故の特徴(日の入り後1時間における横断中の事故が多いなど)を踏まえた交通安全教育等の推進

この文は全国の運動の重点として書かれたもので、愛媛県の数字ではありません。

高齢者の事故を防ぐ3か条のうち、運転する人向けの3つ

県警の「高齢者交通事故防止3か条」のチラシは、「自動車の方」と「歩行者・自転車の方」に分かれています。自動車の方の3つは次のとおりです。

  1. 交差点 よく見る 止まる 徐行する
  2. 再確認 見えてるはずが見えてない
  3. 夕暮れ時 スピード控えて 早目のライト

1つめには「一時停止しましたか?」の吹き出しが付いています。歩行者・自転車の方の3つは「あせりは禁物 急がば回れ 横断歩道」「気をつけよう 家の近所に 落とし穴」「身につけよう 夜道に光る 反射材」です。チラシに発行日は書かれていません。

県警の「交通事故マップ」の、交通死亡事故の地図には、次のコメントがあります。

高齢者が被害者となる事故が多発しています。

高齢者の呼びかけは、運転する側だけでなく、道を歩く側にも向いています。

県警が公表した2025年の数字

県警の「令和7年の交通事故統計」(豆統計)から、この記事の呼びかけに関わる数字を取り出します。2025年(令和7年)の愛媛県の事故は2,077件、死者は46人でした。

項目(2025年) 件数 豆統計の区分
信号交差点 335件 道路形状別
無信号交差点 709件 道路形状別
交差点付近 428件 道路形状別
車両相互の事故のうち右折時 159件(2024年は133件) 類型別
人対車両のうち横断中 156件、死者8人 類型別
16~18時に起きた事故 338件(時間別で最多) 時間別
高齢者(65歳以上)が第1当事者の事故 648件(全体の31.2%)、死者21人(全体の45.7%) 年齢層別

信号交差点335件と無信号交差点709件を足すと1,044件です。これは計算で、2,077件の50.3%にあたります。チラシの「交通事故の約半数が交差点で発生している」と合っています。チラシは数字の年を書いていないため、どの年の数字かは確かめられません。

昼夜別では、昼間が1,599件で死亡事故率1.8%、夜間が478件で死亡事故率3.8%でした。県警は「夜間は、昼間に比べ死亡事故率が約2.1倍」と書いています。

次の点は、数字からは言えません。

  • 「右折時」の159件は、豆統計の類型別で、車両相互の事故のうち右折時に分けられた件数です(自転車対車両の「右左折」98件は別の区分)。「伊予の早曲がり」が原因の事故の数は、県警の資料から確かめられませんでした。
  • 「第1当事者」は、事故で「過失が重い者」です。この数字だけでは、道を走っている高齢者の人数に対する割合は分かりません。

この記事の数字は、愛媛県の交通事故を、公開データで数えた(2019〜2025年) の数字と合っています(件数2,077、死者46、交差点・交差点付近の件数)。その記事は警察庁のオープンデータを数えたもので、地図と市町別の件数も載せています。

生活道路の法定速度は、2026年9月1日から時速30キロ

愛媛県の2026年秋の実施要綱には、「令和8年9月1日から、生活道路においては法定速度が 30 キロメートル毎時になることの広報啓発の推進」という項目があります。警察庁のページは、変更をこう書いています。

令和8年9月1日から 生活道路における自動車の法定速度が60km/hから30km/hに引き下げ となります。

どの道が対象かについて、警察庁のページは次のように書いています。

法定速度が60km/hから30km/hに引き下げられる道路は、主に地域住民の日常生活に利用されるような、中央線等がない道路(=生活道路)です。

標識で速度が指定されている道路は別です。

道路標識又は道路標示により最高速度が指定されている道路では、法定速度ではなく、指定されている速度が自動車の最高速度となります。

愛媛のどの道が対象かの一覧は、警察庁のページにはありません。警察庁のページの説明では、標識で速度が指定されていない道路は、中央線や車両通行帯があれば60km/h、中央線等がなければ30km/hです。

確かめられなかったこと

  • 「伊予の早曲がり」のチラシの発行日
  • 愛媛県警察・愛媛県が、「伊予の早曲がり」と道路交通法のどの条文を結びつけているか(チラシにも推進要領にも条文番号の記載がありませんでした)
  • 令和8年度の「交通安全県民総ぐるみ運動実施要綱」の概要ページと、令和8年度の交差点マナーアップキャンペーンの推進要領
  • 令和8年版の、夕暮れ時のライトの推進要領(県警の「えひめ交通情報」には載っています)
  • 交差点の取締りの件数や取締りの期間についての、県警の公式の発表
  • 交通事故マップ(地図)の中の、事故が起きた交差点

この記事について

愛媛県警察のサイトと愛媛県庁のサイトの資料を、2026年10月13日に取得して読みました。チラシの文字は、画像として読み取ったものを含みます。道路交通法は、e-Gov 法令検索の2026年7月21日施行の版の条文です。地元紙や、公式でない解説は使っていません。法令や運動の内容は変わることがあります。実際に走るときは、現地の標識と信号、警察官の指示に従ってください。

出典

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